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警察庁は1日、足利事件の警察捜査についての検証報告書を公表した。冤罪(えんざい)を生んだ最大の問題点として、精度の低い当時のDNA型鑑定結果の過大評価を挙げ、誤った先入観を持った取り調べで菅家利和さん(63)を虚偽の自白に追い込んだと認めた。また供述や証拠を吟味して捜査の方向性を決める立場の捜査主任官が取調官を兼務する異例の態勢だったため、チェック機能が働かなかったことも明らかにした。
警察庁は(1)特性に応じた取り調べ(2)供述の吟味−−を明記して、現行の犯罪捜査規範を改正する。また、捜査本部事件で捜査主任官を補佐し、自白の信用性をチェックする専従担当を設けるよう都道府県警に指示する。 報告書によると、当時のDNA型鑑定を使った場合の同一人物の出現頻度は1000人に1.2人で、当時主流だった血液型鑑定(10人に2.2人程度)と比べて精度が高かったため、鑑定結果を過大に評価した。逮捕までの約1年間の行動確認で小児性愛を裏付ける行動が確認できないなど、当初から犯人性を疑わせる要素はあったのに、鑑定結果に終始とらわれ続けた。 暴行や供述の誘導は否定したが、菅家さんが取調官に迎合して供述した可能性への留意が欠けていたとも指摘。犯人でなければ一貫して自白するはずがないと思い込み、供述のあいまいさ、不自然さを時間の経過による忘却と安易に判断した。 捜査指揮の点では、栃木県警捜査1課警部に捜査主任官と取調官を兼務させた点を問題視。正対して絞殺すれば首の前後につく跡が首の側面にあった▽犯行後立ち寄ったとされるスーパーに購入記録がない−−など、自白の裏付けはほとんど取れなかったが、菅家さんや目撃者の記憶が劣化したためなどと判断、吟味が不十分だった。 一方、DNA型鑑定は定められた手順で行われ失敗ではないと強調。そのうえで(1)ネガフィルムを紛失(2)プリントした画像解析結果の一部が不明−−など鑑定記録の保管のずさんさを挙げ「十分な検証ができず、適切に行われたとまでは言えない」と結論づけた。【千代崎聖史】 【関連ニュース】 足利事件:菅家さんの公民権が回復 選挙権も復活へ 足利事件:「運転免許を取って温泉も」 菅家さん会見で 足利事件:菅家さん無罪判決 被害者遺族は事件風化に懸念 足利事件:菅家さんの無罪判決を祝う集会開く 宇都宮で 足利事件:「冤罪の構図」解明は? 26日に再審判決 ・ 古里の新聞が認知症緩和 専門家「回想法が脳を刺激」(河北新報) ・ 自転車2台も?線路に投げ込んだ疑い(読売新聞) ・ <掘り出しニュース>県天然記念物なのに…所有者、サザンカの巨樹を無断で伐採 奈良(毎日新聞) ・ <児童福祉法違反>熊本の中学教諭逮捕 生徒にわいせつ行為(毎日新聞) ・ 所管法人余剰金の精算怠る=厚労省に2億円返納要求−検査院(時事通信)
by m9x8anqkqq
| 2010-04-08 21:35
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